オススメのポータブル電源2機種と5つの選定ポイント
ここ数年のキャンプブームや災害への備えとして『ポータブル電源』の需要は年々増加しています。最近では電気不足も騒がれていることから、1家に1台あると有事の際に安心です。そこで今回は『オススメのポータブル電源』について数を絞って紹介していきます。
目次
ポータブル電源とは
『ポータブル電源』とは、内蔵されている電池に電気を蓄え、接続機器に給電する機器を指します。モバイルバッテリーとの違いは「内蔵電池の容量」「定格出力数」「接続できる機器の種類」など。容量にもよりますが、モバイルバッテリーと比べると「内蔵電池の容量は20倍」「最大出力数は20倍」「USB以外の接続給電も可能」と機能面では完全に上位互換となります。
しかし「価格」と「質量」も上がってしまうため、モバイルバッテリーのように1人1個購入し、どこでも持ち歩くといった使い方は難しいです。その分、キャンプや災害での避難時などは1つあるだけで何人分かの必要電力(スマホの充電や電気毛布・扇風機の使用など)を補うことができます。停電時に家電をある程度動かすことも可能です。
また、モバイルバッテリーは基本的にUSB接続のみ給電可能ですが、ポータブル電源には「USB」「コンセント」「シガーソケット」など様々な「入出力ポート」が備わっています。
ポータブル電源の選定ポイント
①用途に応じたバッテリー容量を選ぶ
時間当たりの消費電力は「W(ワット)」×「h(アワー)」で計算します。例えば、70W消費するデスクトップPCを5時間使用したい場合「70W × 5h = 350Wh」が必要となります。当然いくつかの機器に同時給電する場合は、その分「Wh」も必要になるため、キャンプや防災目的を考えると「1000Wh」以上のバッテリー容量のポータブル電源が望ましいです。
②出力ポートの種類と数
ポータブル電源は同時に様々な機器に接続することがあるため「出力ポートの種類」と「出力ポート数」は重要です。「USB接続数3以上」「ACポート(コンセント)1以上」「シガーソケット1以上」これを最低限と考え、あとは必要に応じて「Type-Cが接続可能か」「DCポートがあるか」などを確認すればよいかと思います。
これは必須条件ではないですが、USBが急速充電に対応していると便利です。「USB PD(Power Delivery)」「QC(Quick Charge)」「Power IQ」などの表記があれば対応しています。
③定格出力の波形
ポータブル電源には「純正弦波(正弦波)」「修正正弦波(疑似正弦波)」「矩形波」と複数のAC出力の波形が存在します。しかし、殆どの家電や電子機器は「純正弦波(正弦波)」となっているため、接続機器の故障を避けるためにも「純正弦波(正弦波)」のものを選ぶことをお勧めします。
④周波数と電圧
ポータブル電源によっては電圧が「110V」固定だったり、周波数が西日本用の「60Hz専用」のみということがあります。地域で購入した家電や電子機器に給電する際はこの数値にも気を付けてください。「100-240v 50/60hz」と表記のあるアダプタであれば、ポータブル電源の周波数や電圧は気にする必要はありません。
⑤バッテリーの寿命
ポータブル電源は10万円以上するため、可能な限り長く使用したいかと思います。内蔵されているバッテリーには「リチウムイオン電池」「リチウムポリマー電池」「リン酸鉄リチウム電池」のいずれかが使用されていますが、この中で最も長命なのが「リン酸鉄リチウム電池」だと言われています。
また、ポータブル電源各商品には「サイクル数(初期容量の80%以上を維持する充放電サイクル回数)」の目安が記載されているため、できるだけこの数が多いものを選びましょう。
オススメのポータブル電源
今回は防災や停電・キャンプ(連泊) を想定しての選定です。選定ポイントは「バッテリー容量:1,000Wh以上」「周波数:50Hz/60Hz」「出力ポート:種類と数が多い」「サイクル数:500以上」「重さ:20kg未満」としています。
EcoFlow EFDELTA
項目 | スペック |
バッテリー容量 | 1,260Wh |
ACコンセント | 6口:最大1600W(50Hz/60Hz) |
シガーソケット | 1口:最大108.8W |
USB-A | 2口:最大12W
3口:最大28W(急速充電) |
USB-C | 2口:最大60W |
入力 | 最大1200W |
充電時間 | 約2時間 |
サイクル数 | 800 |
重さ | 約14.0kg |
価格 | 139,500円 |
防災推奨製品 | 認証 |
その多機能 | 特になし |
Anker 757 Portable Power Station (PowerHouse 1229Wh)
Anker 757 Portable Power Station 商品リンク(Amazon)
項目 | スペック |
バッテリー容量 | 1229Wh |
ACコンセント | 6口:最大1,500W(50Hz/60Hz) |
シガーソケット | 1口:最大120W |
USB-A | 4口:合計48W(急速充電) |
USB-C | 2口:合計160W(急速充電) |
入力 | 最大1000W |
充電時間 | 約1.5時間 |
サイクル数 | 3000回以上 |
重さ | 約19.9kg |
価格 | 169,900円 |
防災推奨製品 | ー |
その多機能 | ライト付き |
Jackery ポータブル電源 1500 PTB152 は?
よくキャンプ動画などで見かける『Jackery』のポータブル電源ですが、今回は「ACコンセントの周波数が60Hzのみ」「フル充電にケーブル2本使っても4時間かかる」などの理由で候補から外しました。興味がある方は下記リンクから詳細を確認してみてください。
Jackery ポータブル電源 1500 PTB152 の商品リンク(Amazon)
用途によっては他の候補もある
今回は「防災」や「停電」を考慮したポータブル電源を選んだため、家電にも使えるような「1000Wh」以上のものを取り上げましたが、キャンプや一時的な給電であれば「800Wh」前後でも十分かと思います。ポータブル電源はバッテリー容量によって値段が大きく異なるため、ここまでの容量はいらないという方は、当記事で紹介した「選定ポイント」を参考に探してみてください。