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【ネタバレあり】ゴッサム・シティに隠された嘘とは『THE BATMAN -ザ・バットマン-』感想

ゴッサム・シティに隠された嘘とは『THE BATMAN -ザ・バットマン-』感想

2022年03月21日『ザ・バッドマン』を映画館にて鑑賞してきましたので、感想などを書いていこうと思います。一部ネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。

これまでのバットマンシリーズ

「バッドマン」は「DCコミックス」が原作のダークヒーローです。慈善家の「ブルース・ウェイン」が腐敗した「ゴッサム・シティ」を舞台に、権力者やサイコキラーなどのヴィランと対峙していくという内容が主軸となっています。漫画は1939年から連載されており、映像化も複数回されている人気作品です。

2000年代に登場した映画には、クリストファー・ノーラン監督による「バットマン・ビギンズ (2005)」「ダークナイト (2008)」「ダークナイト・ライジング (2012)」の三部作「ダークナイト・トリロジー」や「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016)」「ジャスティス・リーグ(2017)」といった、DCコミックスのクロスオーバー作品である「DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)」などがあります。

ザ・バットマンは新シリーズ

今回の「THE BATMAN -ザ・バットマン-」は、上記の作品とは世界観を共有しない新シリーズになります。「スパイダーマン」と「アメイジング・スパイダーマン」のように、主人公の名前や登場人物名は共通しているが世界軸の異なる物語です。

監督は「クローバーフィールド / HAKAISHA」や「猿の惑星 : 新世紀」などで知られる「マット・リーヴス」、バットマンを演じる主演は「ハリー・ポッター」や「トワイライト〜初恋〜」などで知られている「ロバート・パティンソン」です。

アクションヒーローものではない

本作は「アクション / アドベンチャー」として紹介されていることが多いですが、実際には「ミステリー / スリラー」と言われた方がしっくりくるような内容となっています。

主人公視点の場合ミステリー。犯罪者視点の場合スリラー。病んだ主人公は知能犯のリドラーを追う中でゴッサム・シティに隠された嘘に迫り、また一方でバットマンとして犯罪者へ恐怖を植え付ける。非常にバットマンの魅せ方や使い方が上手い作品です。

上映時間は2時間55分。この時間の大半が夜の活動となっており、暗い映像と不気味で緊張感のあるBGMが続きます。同じような雰囲気と音楽が続くため眠気も感じますが、それでも中だるみすることはなく、最初から最後まで面白いという不思議な作品です。

ざっくり概要

本作は、ブルース・ウェインがバットマンとしての活動を始めて2年が経過した時点から話がスタート。バットマンは警察と協力しており、夜には犯罪者を暴力で取り締まる活動をしている。夜空に照らされる蝙蝠のライトは恐怖の象徴。犯罪者は実際にそこにいるいないに関わらず、闇を恐れ逃げ出していく。

ある日、選挙戦を控えた市長が何者かに襲撃を受け死亡。現場にはバットマンへの謎のメッセージが残されていた。犯人は自らを「リドラー」と名乗り、市長、警察本部長、地方検事、と次々にゴッサム・シティの有力者を手にかけていく。そして毎回殺人現場にはバットマンへの謎のメッセージが…

警察やバットマンが迂闊に手を出せないマフィアの根城に潜入するためキャットウーマンと手を組んだバットマン。謎を解きリドラーを追う中で、この街の権力者が汚職にまみれていることを知る。そしてこの汚職の連鎖は、自分の家族にまで繋がっていた。

父の清らかな遺志を継ぎ、バットマンとして活動してきたブルース・ウェインは隠されていた真実に絶望する。しかし、このことを秘書であるアルフレッドに問いただすと、そこに隠された更なる陰謀が明らかに。

全ての真実を知り、リドラーを捕まえたバットマン。しかし、リドラーは捕まった時点で全ての準備を終えていた。防波堤の爆破。同志によるテロ。大混乱のゴッサム・シティをヒーローとしてバットマンが奔走する。

壊滅的な被害を受けつつも立て直しを図るゴッサム・シティとその住民。しかし、バットマンは良くない兆候を感じていた。増える犯罪。加速する権力争い。それでもバットマンはゴッサム・シティを信じて街を恐怖で守っていく。

正義か悪か

本作のヒーロー・バットマンとヴィラン・リドラーは境遇や思想など多くの共通点があります。劇中でも気味が悪いほど2人を重ねた表現がされており、正義と悪、その曖昧な境界線が示唆されているように感じました。

人々に手を差し伸べることを選んだバットマンとゴッサム・シティの破壊を選んだリドラー。汚職を憎むこの2人の重なりを強調しつつ、最後は明確に対比構造となっていることからも、新シリーズの第1作として正義と悪の表裏一体を伝えたかったのかもしれません。

振り続ける雨と洪水

劇中は大半が夜であり、また雨が降っています。これは主人公ブルース・ウェインの心理を表すと共に、ゴッサム・シティに積み重なる汚職や犯罪を表現していたのでしょう。積み重なった罪はいずれ溢れてしまう。まさにリドラーが起こした洪水が、暴かれた嘘の連鎖と重なります。

親の罪を背負うのは子供。上の世代が積み重ねた罪の代償は今を生きる人たちに降りかかる。前半は実際劇中でもあったセリフです。本作に秘められたテーマはこの部分だったのではないか、そのように感じました。

気になったシーンをピックアップ

リドラーはバットマンの正体を知っていたのか

終盤、捕まったリドラーがバットマンを呼び出し会話するシーンがあります。このシーンの前に「正体を知っている」と壁に描かれた描写があり、会話の中でもバットマンに「ブルース・ウェイン」と連呼するシーンがあるため、リドラーはバットマンの正体がブルース・ウェインであることを知っているのかと思いましたが、バットマンがカメラを気にした後に「彼は死んだ。後はお前だけだ」と言っていることから、正体には気づいていないのだと解釈しました。その発言の後にバットマンの態度が変わることからもこれは間違いないかと思います。

ジョーカーの登場

最後に独房でリドラーと謎の囚人の会話シーンがありますが、あの囚人はバットマンに登場するスーパーヴィラン「ジョーカー」で間違いないでしょう。劇中でピエロのマスクやペイントをしている市民が度々登場していたため、既にゴッサム・シティ内にはジョーカーの信奉者がいるようです。また、ジョーカーは脱獄を仄めかせていたため、続編での登場が濃厚かと思われます。

続編に期待

「THE BATMAN -ザ・バットマン-」は続編を仄めかせて終わります。単なるヒーローアクション映画ではなく、ミステリー要素強めの本作は腐敗したゴッサム・シティの世界観と非常にマッチしており、バットマンとヴィラン両方を活かしたスリラーとしても楽しめます。

ここにジョーカーが加わるとどうなるのか、腐敗が加速したゴッサム・シティには更にどのような陰謀が隠されているのか、このバットマンはどのような終わりを迎えるのか、今後の続報に期待したいと思います。

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